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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2013年 6月


    

6月4週号
【南国市】暖房機で結露制御し
     シシトウ黒枯れ病防除/高知県農業技術センター

 南国市の高知県農業技術センターでは、シシトウのハウス栽培で大きな問題となっている「黒枯病」の防除を、暖房機による結露制御を行うことで、薬剤に頼らず省力的に防除できる技術を確立させた。
結露コントローラー「まもるん」。価格は約17万円

 高知県は全国のシシトウ生産量の4割以上を占める全国一のシシトウ産地である。シシトウの黒枯病は、2004年に高知県で初めて発生が認められて以降、被害が増加し、大きな問題となっている。
 シシトウ栽培では登録農薬が少なく、天敵による害虫防除が普及しており、殺虫剤や殺菌剤による防除回数も減少している。「黒枯病の薬剤防除は、10日から2週間に1度散布が必要で労力がかかる。薬剤防除に頼らない省力的な防除技術が求められていた」と、同センターの下元祥史主任研究員は研究に着手したきっかけを話す。



黒枯れ病に感染した葉 感染した果実


 同センターでは、黒枯病は多湿条件で発生しやすく、結露状態が長く続くと感染することに着目。病害防除コントローラ「まもるん」(千葉県・蒲髢リ電子製)を使い、結露値(濡れの程度を表す「まもるん」独自の値)が一定基準値に達した場合に暖房機で加温し結露値を下げる制御を、基準となる結露値を変えながら、黒枯病の発生状態を調査した。
  結露値が110になると109に低下するまで、20分間のうち3〜4分暖房機で加温し、残りの時間は送風または停止させる制御を繰り返すことで、黒枯病の発生を4分の1程度に抑えることができるという結果が得られた。




「細かな制御はパソコンソフトで設定できるので、難しくないですよ」と下元研究員

 また、この防除方法は常時加温をさせず、温度上昇幅を小さくすることができるので、燃料の大きな消費増とはならず、経済的にも負担の少ない防除方法となった。
  同センターでは、常時制御で結露値を150未満にすることでも高い防除効果が得られることを認めているが、ハウス内温度が上昇しすぎるため、二重カーテンの開閉や換気扇との連動制御によりハウス内温度の上昇を防ぐ方法も研究中である。
  「この防除技術は、シシトウと同じ環境で栽培するピーマンでも防除効果は高いと思う。今後は、結露値だけでなく、相対湿度でも制御可能な技術の確立やナス黒枯病への技術応用など、研究を発展させていきたい」と下元研究員は意欲をみせている。

(澤田浩二)


    

6月3週号
【室戸市】ズッキーニ 栽培容易で収量安定/山本真一さん



収穫したズッキーニを手にする山本さん。毎朝交配をしている。
 高知県ではあまり生産されていないズッキーニの栽培を始めたのは、室戸市吉良川町でカラーピーマン(29e)を栽培している専業農家の山本真一さん(54)。
 栽培を始めた動機について「食べてみて美味しかったので、自分で栽培をしてみた」と話す山本さん。最初は露地で栽培をし、その後、風の被害に備え雨よけハウス栽培に切り替えた。現在は知人の休耕ハウスも借り、8eのハウスで栽培している。
 現在栽培しているのは3月中旬に定植したもので、4月中旬から収穫が始まった。当初は収穫量も少なかったので道の駅の直売所に出していたが、収量が安定しはじめた5月からはJAに出荷。1`c400円ほどで取引されている。
 「交配を毎朝しないといけないので、労力がかかるが、栽培は難しくない。うどんこ病の発生を防止するため、消毒に気を付けている。今後はもう少し面積を増やしたい」と話してくれた。ズッキーニの収穫は夏ごろまで続く。

 (久保明)






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