4月1週号
【四万十町】刺身と新タマネギのぬたあえ
▲調理する武市さん(円内も)。
「もう一品欲しいときに最適です」と話す |
「ぬたの作り方を覚えれば、いろんな料理に利用することが出来ます」と話す四万十町本堂の武市由美さん(51)。
水稲60eと、20eのハウスで少量多品目の野菜を栽培する武市さんは、各種イベントなどで、農家女性グループが集まって料理をする機会が多く、毎日の献立に悩む声を聞くそうだ。
そこで、今回紹介するのは、ぬたと新タマネギを使ったヘルシーな一品。地元で捕れる魚のシイラやブリの刺身を食べるときにぬたをよく使うそうだが、季節の野菜や肉類と合わせてぬたを上手に使うことで、様々な食味が楽しめ、飽きないという。
「調理時間は15分ほどと簡単に出来るため、忙しい主婦にもお勧めです」と笑顔で話す。
▲刺身と新タマネギのぬたあえ |
★レシピ
☆材料(4人分)
刺身(または鶏のササミなどを好みで)
…適量
新タマネギ…1個(250c)
ニンニクの葉…1本分
白みそ…大さじ2
酢…大さじ2
砂糖…大さじ1
みりん…大さじ1
☆作り方
@ニンニクの葉を細かくみじん切りにし、すり鉢でする。十分にすりつぶせたら
白みそ、酢、砂糖、みりんを加えてよく混ぜ、ぬたを作る。
Aタマネギを約1a幅のくし切りにし、沸騰した湯で1〜2分ゆでる。
Bゆでたタマネギをザルに上げ、よく水切りをする。
C皿に刺身を均等に広げ、その上にタマネギを盛り、@で作ったぬたをかける。
(大崎隼)
4月2週号
【いの町】シイタケ原木栽培 山の魅力を発信
▲「合掌の形より鎧伏せ(左写真)の方が面積が少なくて済み、保湿効果もあるので多く採れる」と渡辺さん |
定年退職後にUターンし、シイタケの原木栽培を行う、いの町小川柳野の渡辺勝喜さん(64)。栽培を始めた3年前、以前からシイタケ栽培をしていた、いとこの渡辺積さん(76)と共同で、「ふるさと原木しいたけ生産組合」(組合員6人)を設立し、組合長を務める。
「仕事を辞めたら、晴耕雨読でゆったりと田舎生活を楽しむつもりでいた」が、近所の人から「クヌギの山をやるからシイタケ栽培をやったら」と言われたことをきっかけに、格安で山を分けてもらい、栽培に着手。
原木のクヌギは、葉が色づき始めるころに伐採し、ホダ木は棚田跡の40年生の杉林の中に約5千本を鎧(よろい)伏せにして設置している。現在までに8万個余の駒(菌)を打ち込み、今年は6万個を予定している。この春に植えた菌からの本格的な収穫は、来年の秋からだ。
「山には無限の可能性があり、楽しいところということを都会の人に伝えたい」と考える渡辺さん。「いい物を、本物を作り、菌床栽培とは違う味を都会の人に分かってもらいたい」と力を注ぐ。
出荷は当初、前職の教員時代のネットワークを想定していたが、県の県産品ブランド室の紹介で東京、千葉、大阪などの量販店に生のものを箱詰めして発送。今年からは保存のできる乾燥シイタケの出荷も予定している。
搬出用のワイヤの架設やウィンチ操作、作業道の開設に販売業務と、作業内容は多岐に渡るが、「いろんな業種の勉強を楽しみながらできた」と渡辺さん。現在では、ほかにキウイや茶、ゼンマイなども生産しており、「忙しく、当初の田舎でのんびりではなくなっているが、それがまた楽しくもある」と話す。
(門田)
4月4週号
【芸西村】重油の代替に導入進む
ハウスピーマン2棟(7e、30e)を経営する芸西村西分の久保浩計さん(41)は2007年度から、メーカーと木質ペレットを利用した暖房機の共同開発に取り組み、08年度から本格的に導入。芸西村では、ほかに4戸のハウス農家でも導入しており、重油の代替燃料として広まりつつある。 |
▲木質ペレットを手に久保さん。暖房機は重油用のバーナー の部分を替えて使う。ペレットは飼料用サイロに貯蔵して いる |
久保さんは07年の重油高騰の折、「なにか重油に代わるものを考えなくては、コストのうち燃料代がかなりのウエートを占めて、ゆくゆく大変なことになる」と考えているところに、株式会社相愛から共同開発の話があり、同年10月に7eのハウスで試験的に利用した。
試験結果は、同時期の重油価格が約85〜90円だったのに対して、3割ほどコストの削減に成功。「これならある程度、いけるのではないか」との感触を得て、翌年度には30eのハウスにも導入した。
暖房機を木質ペレット用にすべて買い替えるとコスト面の負担が大きいため、重油用暖房機のバーナー部分を
木質ペレット用に交換して使用。元に戻せば重油用としての利用も可能だ。現在は重油価格が落ち着いているため、重油と木質ペレットを併用している。
使用するペレットは、製材過程で発生するおがくずなどを細かくして圧縮したもの。岡山県の製材会社から購入している。
現在、重油換算にすると1g当たり60円ほどのコストで、若干重油のほうが安い。「需要が増えれば、ボイラーが安く生産されるし、新たに県内にペレット生産工場ができる計画もある。将来的に40円から50円くらいになればと思っています」と久保さん。
相愛の伊藤雅彦さん(30)は、「県内でペレットが供給できるようになれば、エネルギーの地産地消になり理想的。農業と林業が結びついて一緒に発展していければ」と期待する。
バーナーは、コンピューター制御や付帯設備を含めて、1台220万円ほど。2年目に30eのハウスに導入した際は、環境省自主参加型国内排出量取引制度を活用したため、約3分の2の経費で導入できたという。
「熱効率が重油より高いうえ、二酸化炭素も削減できるなど環境にやさしい効果もあります。今後、より一層改良していきたい」と久保さんは話す。
(中屋)
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