本文へスキップ

農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2009年 7月


7月1週号
【南国市】ハウス無加温ゴーヤ 早期出荷し有利販売



   
▲ゴーヤーの授粉作業を行う玲子さん

 ゴーヤーの収穫に忙しい毎日を送る、南国市奈路の長曽我部良親さん(56)、玲子さん(50)夫妻は、ハウスゴーヤー25eのほか、水稲20e、シホウチク(四方竹)2f、冬場にはヤッコネギ25eを栽培している。
 長曽我部さん方では、ゴーヤーの栽培を始めて3年目。「まだまだ手探り状態が続いています。誘引、整枝、摘芯に加え、ハウス栽培のため、授粉は一つずつ手作業なので休む間がないですね」と話す。
 3月20日に苗を定植し、5月20日から収穫が始まった。無加温で栽培するため、燃料費が削減でき、露地栽培の出荷が始まる7月ごろまで有利に販売できる。長曽我部さん方では、秋のシホウチクの出荷準備に入る9月まで収穫が続く。
 玲子さんは、「ゴーヤーはビタミンCを多く含み、疲労回復や夏バテ防止に効果があるといわれています。これからの季節、積極的に食べてもらいたいですね」と話す。

(窪田)
   

   
   
   

7月2週号
【南国市】3重被覆でハウスの保温性向上 重油使用量を50%に削減


    
     
▲「残りのハウスも3重にしたい」と八松さん

 南国市三和の八松重明さん(64)は、ビニールハウス9棟(40e・ショウガ、シシトウ)のうち、2棟・15eに3重張りを取り入れ、保温性を高めている。
  「昨年の重油高騰をきっかけに、ビニールの3重張りに着手した」と八松さん。その方法は、温水ボイラーで発熱効果を上げ、ハウスの周りをポリエチレンフィルムの保温被覆材(商品名=サニーコート)で囲い、さらにハウスの谷部分のアーチ受け(C鋼)を内側からビニールで囲うというものだ。
  サニーコートは自分で3年前から、ビニールの3重張りは、国の助成金制度を利用して設置した。その結果、重油の使用量を約半分に減少させることができたことから、今年はほかのビニールハウスにも3重張りを広げる予定という。
  八松さんは「これほどの違いが出るとは思わなかった。これからも助成金制度は続けてほしい」と話している。 

(久永)




7月2週号
【芸西村】信頼される産地目指して

    

▲市場で人気の白八重のトルコギキョウを手入れする白石さん

 「優品率を高め、市場や消費者のニーズに合ったトルコギキョウを安定供給し、市場に信頼される産地づくりを目指したい」と話す、芸西村の白石雅嗣さん(52)は、48歳の時、定年後の生活を考えてJA職員から転職し、ゼロから農業を始めた。 
 「日本の三大花に続き、これから日本を代表する花になるのでは」と、ハウス栽培のトルコギキョウを選んだ白石さん。現在、トルコギキョウ20eを中心に、水稲75、シャクヤク4e、オクラ5eを栽培している。
 トルコギキョウは、大輪型、中輪型、小輪型と約20品種を導入し、ニーズに対応。長期間安定的に出荷するために、市場で人気の高い白八重を中心に、早生・中生・晩生と出荷時期にあわせて品種を分けている。 
 昨年9月からは、JA土佐あき芸西集出荷場研究会花卉(かき)部の副部長を務め、市場を行き来して情報を集めるなど、部全体の販売拡大につなげようと励む日々だ。その中で、市場関係者から、「『芸西の花をあまり知らないので、見たい』という生花店の声がある」との情報を得た白石さん。「花栽培で元気のある芸西村をアピールしたい」と、今年1月、有志6人と「フラワーチーム芸西」を結成し、代表に就いた。
  その活動として、3月には村内の花栽培農家約50人に参加を呼びかけ、全国から市場関係者や生花店の経営者ら150人を招いて、「げいせい 花だより」を開催。花の展示や現地視察を通じて芸西の花をPRした。 
  白石さんは「花卉栽培を通じた地域づくりが目標ですね」と今後の活動に意欲を見せている。

(岡本)

    
    

   

7月3週号
【香美市】谷相集落営農組合が始動 集落維持発展へ団結

 「咲かそう、実らそう谷相の夢」をスローガンに、集落営農のビジョンづくりを検討してきた香美市谷相地区では2009年3月、谷相集落営農組合(前田泰生(つねお)組合長=64歳、組合員40人)を設立した。同組合は、耕作放棄地を減らし、農業機械の共同利用を中心に、園芸品目などの導入による農業所得の確保を目指す。
    

    
▲5月に行われた組合総会。事業計画について協議した

 谷相地区は、棚田での稲作(9・1f)とニラ(1・9f)を中心に栽培する中山間地。農家戸数は45戸、農家経営主の平均年齢は69歳で、高齢化による後継者不足が進んでいる過疎地だ。
  同地区では将来の集落や農業のあり方について、前田組合長らが中心となり、07年から集落座談会やアンケートを実施。集落営農に期待する声が多く、住民の合意形成に向けて活動してきた。
  活動の中で、07年12月に、「水稲栽培研究会」を組織。減農薬栽培を行い、7人が「エコファーマー」の認定を受け、食味の良い「香北米」の生産と有利販売に力を注いでいる。昨年8月には、農作業受委託組織「谷相オペレーター組合」を立ち上げ、昨年の収穫作業から受託を行うなど、これまでも地域一体となって取り組んできた。
  これらの取り組みをさらに拡大し、発展させていくために設立されたのが谷相集落営農組合だ。前田組合長は、「住民一人一人が谷相の今後を見守っていく共有意識を持つことが本当に大切になる」と話す。
 組合活動の中心は、農業機械の共同利用。今年7月からは、補助事業を活用し、新たに防除機械や籾(もみ)乾燥機施設、コンバインなどを導入する予定で、今年は試運転の年になる。7月下旬と8月中旬の2回、購入した機械を使って、オペレーター組合の8人が防除を実施する計画だ。
 また、組合設立以前から組織されていた研究会などでも、所得向上に向けた活動を継続している。高齢者でも栽培しやすいアジサイの新規導入を目的とした「アジサイ栽培研究会」や、直販所へ安定的に作物を供給するための栽培形態や品目を検討する「直販部会」では、アジサイや青ネギの実証圃場の設置や先進地研修を実施。

▲組合の中心メンバー。右から前田和也副組合長、前田組合長、前田晴夫さん
中央東農業振興センターの笹岡普及員は、「集落の皆さんの心が一つになってできること。地域がまとまるお手伝いを、今後も続けていきたい」と今後の活動に期待を寄せる。
 前田組合長は、「今後は、米を中心において、地域でできることを考えながら、地域全員が参加してもらえる体制を整え、所得向上と集落の維持発展につなげたい」と抱負を話す。

(野島)
    





■戻る