5月1週号
【香南市】のいちごはん
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▲のいちごはん |
「香南市の『早掘甘藷(かんしょ)』(サツマイモ)は、日本一出荷が早くて、紅色がとても鮮やかです」と話す、北節子さん(58 )は、香南市野市町で早掘甘藷を320e栽培している。そんな北さんが紹介する「のいちごはん」は、メーンにこのサツマイモを使う一品だ。
「最近は回数が減ったけど、子供が小さいころには、せがまれてよく作りました。子育て世代のお母さんには、ぜひ子供たちに作ってあげてほしい」と北さん。
サツマイモは、皮付きのまま使う方が彩りが良い。また、大豆は水煮されたものを購入すれば、より簡単に作ることができる。
「ワカメは、ごはんに混ぜる市販の物を使っても、塩味が効いておいしいですよ。購入するなら、野市駅構内で土曜日に開かれる直販市や、マルナカ野市店の生産者コーナーで販売しています」と話してくれた。(武内)
★のいちごはんのレシピ★
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▲早掘甘藷のハウスで北さん。5月下旬から出荷し、6月がピークだ |
☆材料(4人分)
米……2・5合
サツマイモ……400c
ワカメ(乾燥)……5c
大豆……50c
じゃこ……50c
しょうゆ……25cc
砂糖……20c
みりん……5cc
☆作り方
@米を普通より少し硬めに炊く。
Aワカメは水でもどし、一口大に切る。
B大豆をゆでる。サツマイモは1a角に切り、
水にさらす。
Cじゃこ、大豆、水切りしたサツマイモを、
それぞれ油で揚げる。
D砂糖、みりん、しょうゆを煮立て、Cの
じゃこと大豆を入れていり煮する。
E炊きあがったごはんに、Cのサツマイモと
Dを入れて、さっくりと混ぜる。
5月2週号
【南国市】たけのこ祭りで深める交流 地域に活気呼び込め
県中部に位置する南国市の白木谷・八京地区は、少子高齢化が進むほか、後継者不足が深刻。地元特産品のタケノコの生産も大幅に減少している。そこで、白木谷・八京地区では、今年初めて「たけのこ祭り」を4月18日に開催。タケノコをPRし、地区外との交流を深めた。 |
▲「たけのこ祭り」には地区内外から参加者があり、タケノコ寿司やしし汁を味わった |
白木谷・八京地区は、タケノコの生産が盛んで、かつては、70戸ほどの農家が面積400fほどの竹林で栽培。500dを超える出荷量を誇っていた。しかし、高齢化などで生産農家が減少。今では20戸の農家が生産するだけとなった。
そのため、白木谷区長の中司邦夫さん(67)、八京総代の茶木勉さん(67)ら23人は、地区外との交流の場として「たけのこ祭り」を開催。中司さんは「過疎化で特産品の生産にも影響を及ぼしているので、何とかしたい思いがあった」と話す。
ボランティアで参加した筒井泰好さん(52)は、「この事業で、地元特産品の消費拡大につながれば幸い」という。
会場では、採れたてのタケノコや山菜を使ったタケノコ寿司(ずし)や山菜寿司、竹製品などを販売した。また、無料で配った豚汁・しし汁・山菜の天ぷらなどは、調理が間に合わないほどの人気。地区外からは、珍しさから特産品を買い求める人も多かった。
近くの竹林では、「タケノコ掘り体験」も行われ、地元生産農家の中司弘光さん(73)をはじめ5人が指導。高知市などから参加した20人がタケノコの収穫に挑戦した。タケノコは周りを掘ってから、一気に根元にくわの刃先を打ち込み収穫する。参加者のほとんどは初めての体験で、慣れないくわを手に苦労しながらもうまく掘り、採れたときには歓声が上がった。
200人超える来場者
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▲掘りたてのタケノコ。黄子タケノコは刺し身にも |
地区外からの集客が課題だった、たけのこ祭り。白木谷区長の中司さんは、「ラジオや新聞・広報紙などを活用しPRに努めた。当日は地区内外から200人を超える来場があり、まずまずの結果となった」という。
同地区では、今後も同様の事業を通じて地域おこしや交流人口の拡大を図り、地区の活
性化を目指す。
10月には「四方竹祭り」も開催する予定となっている。
(川ア)
5月2週号
【芸西村】動物とのふれあいの場提供
▲「人に慣れて、かわいいですよ」と清藤さん |
「昔はどこの家でもヤギや牛を飼っていて、動物とふれあう機会も多かった。自分も子供のころから動物が好きでした」と話す、芸西村の清藤清光さん(69)。水稲約160e、ハウス花き64e、露地花き25eを栽培する傍ら、趣味でヤギ30頭とジャージー牛3頭を飼育し、近所の子供たちが動物とふれあえる場を提供している。
きっかけは、7年前に土佐山田町の雪ヶ峰牧場で雌のヤギをもらったこと。1頭ではかわいそうと、九州でヤギを2頭購入した。「子ヤギが産まれ頭数が増えると、いつのまにか近所の子供たちが来て、ヤギにふれたり、草をあげて遊ぶようになりました」
最近ではシカやサルなどの獣害や田畑の雑草対策に、ヤギを年5、6頭ほど無償で貸し出している。また、飼育ができなくなったヤギも引き取って世話をしているという。
「子供たちの笑い声や笑顔を見ると、できるだけ飼育を続け、ふれあいの場所を提供していきたい」と話してくれた。
(岡本)
5月4週号
【芸西村】甘くて加熱調理にも向く ミニトマト新品種スウィーティア
村の新たな顔に
フルーティーで肉厚、果汁が飛び散りにくく、生食以外にも煮る、焼くなどいろいろな料理に向くミニトマト「スウィーティア」。高知の井上石灰工業株式会社が、4年前から開発を始めた品種だ。安芸市井ノ口の宇田尚郎さん(48)は昨年、芸西村にある3・3eのハウスに200株を植栽。スウィーティアを芸西村の特産品にしようと、農家と企業が一体となり、地元スーパーを中心に販路拡大を目指している。 |
▲長細いスウィーティアを収穫する宇田さん |
露地ショウガを50e栽培する宇田さんは昨年9月に、井上石灰工業の担当者から「新品種のトマトを栽培してみないか」と誘われ、スウィーティアの栽培を開始した。
名前の由来は、Sweet(甘い)とTear(涙)を合わせたもので、地元企業と提携を結ぶ大学の学生が命名。スウィーティアは、果肉が厚くて種が少なく、青臭さがないのが特長だ。糖度は12度に達する。
ダブルの果房で見た目はトウガラシと見間違うほど赤い長粒型。耐病性があり減農薬栽培にも向く。そのうえ裂果が少なく多収性という。
ミニトマトと同様に、9月にポット苗を定植後、約5カ月で元肥を1回、追肥は木の状態を見て少量与えていく。受粉力が強いことから、マルハナバチによる受粉が不要で、経費が少なくて済むのがメリット。「なんといっても、作りやすいことが魅力ですね」という。
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▲房なりのスウィーティア |
1房で60果あまり収穫できるスウィーティア。収穫は妻と2人で週に2時間程度行い、10月から6月末まで続く。「手をかざして一度に5個以上採れるので楽ですよ」と話す。
反当たりの年間目標収量8dを目指す宇田さん。1本仕立てと2本仕立てでの収量の違いや、芯を止めてわき芽に実をつけてみるなど、さまざまな栽培方法に挑戦している。増産するため今年8月には、新築ハウス35eを建設する計画だ。
スウィーティアは地元スーパーでの試食で、「トマトの青臭さが苦手だったけれど、果物みたいでとてもおいしい」と好評を得た。開発・品種登録した同社役員の松浦さんは、新規需要が見込めると考え、「行政機関やテレビ局へのアピールに努めていきたい」と意気込んでいる。
(松本)
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