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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2010年 7月


7月1週号
【仁淀川町】400年の歴史誇る石積みの棚田
      みんなで守るだんだんの里

 仁淀川町長者地区の石積みの棚田は約400年の歴史を誇るが、農家の高齢化に伴い耕作放棄地が増え荒れ始めた。「これじゃいかん」と、中島道雄会長(60)をはじめ、地区の有志が集まり、2003年4月に「だんだんくらぶ」を結成。荒れた石垣の棚田をきれいに整備し花を植えるほか、さまざまなイベントを開催している。

   
▲ショウブの世話に余念がない野々宮さん。しょうぶまつりの終了後も高知市などから棚田の石垣とショウブを見に訪れる人々も多い
 だんだんくらぶの名前の由来は、「そらあ、ここの段々畑と、ここら辺の方言で『おおきに』(ありがとう)という意味になる別れ言葉『だんだんよ』をかけたがよ」と、だんだんくらぶ事務局の野々宮輝雄さん(69)は話す。
 会員は、地元の農家(82人)をはじめ、高知大、高知工科大、東大の学生など、約100人で構成されている。
  棚田は一時、荒れたものの、現在は会員の手によって昔の姿を取り戻した。「石垣の手入れや植えてあるハナショウブの世話をしゆうけんど、これが結構大変」と野々宮さん。
 棚田を所有する会員の一人は「作り手も、食べる者も減ってきた。年をとったき田を作れんなった。先祖の農地を荒らすのはしのびない。みなさんのおかげで昔の棚田に戻った」と喜ぶ。
  イベントの前には会員総出で除草をするほか、春から秋にかけて5〜6回、会員有志による除草作業を行い、石垣の景観を整えている。
 今年の6月13日から20日まで開催された「第5回花しょうぶまつり」には、約500人が訪れ、熱心に写真撮影する人もいた。
 七夕まつりを開催 また、8月8日には「七夕まつり」を開催。棚田の上を通した200bのワイヤにさまざまな七夕飾りを付け、昼夜共に趣があるという。
  12月4日には「長者DEキャンドルナイト」を行う。これは段々の畦に約2千個あぜのキャンドルが揺れ、日常を忘れる幻想的な風景が楽しめるイベントだ。
  中山間地に暮らす人々の高齢化が進み、人の手で拓ひらかれた土地が次々と山に返りつつある今、同クラブのイベント活動や先達が築き上げた400年の石垣の棚田の景観は人々の目を楽しませてくれる。
「まだ山も元気です。星が輝く『だんだんの里』にお越しください。とびきりの笑顔で迎えします」と野々宮さんたちは話す。

(尾崎)
    



   

7月2週号
【高知県】暴風強風 台風への備えを

 日照時間が長く温暖な気候を生かし、施設園芸が盛んな本県――。しかし、過去には甚大な台風被害が起きるなど、園芸作物の栽培には自然災害のリスクが付きまといます。いつ来るか分からない台風に備えて、今回は、暴風や強風から、ビニールハウス・POフィルムハウスを守る対策を紹介します。(資料提供=高知県環境農業推進課)
    

▲写真@
▲写真A
▲写真B
▲写真C
▲写真D
写真E
〔ハウスを守る対策〕
台風前の情報収集と点検や補強対策
 テレビやラジオの台風情報で、進行方向や勢力、暴風・強風範囲などを把握しましょう。また、ハウスの周辺に風で飛びやすい物があれば事前に片付けておきましょう。
(1)ビニールやフィルム関係
@ハウスの屋根やサイド部分にしわやたるみがないか確認し、ある場合はマイカ線(写真@A)でしっかり張りましょう。
Aビニペット(写真B)のスプリングやレールのゆるみ、外れ、腐食がないか点検しましょう(特にPOフィルムでは、使用期間が長いため腐食していることがあります)。
Bハウスの妻面やサイド部分を防風ネット(写真CD)で覆いましょう。また、妻面の谷部分をパッカー(写真E)で止めましょう。
(2)ハウス本体関係
@風の吹き上げを防ぐため、天窓や出入り口は、すき間風が入らないように止め具や鍵でしっかり固定しましょう。
A谷板を釘(くぎ)で固定しているハウスは、端が浮き上がらないように、長めの釘を多めに打ち付けておきましょう。
B谷柱に筋交(すじか)いを入れ補強しましょう。

台風接近や通過時の対策と注意点
@換気扇のあるハウスは、吸気シャッターを閉めて換気扇をスローで作動させ、ハウス内の気圧を下げビニールのバタツキを防止しましょう。
A猛烈な風になった時にはハウスには絶対近づかないでください。物が飛んできて、けがをする可能性があります。

台風通過後の対応
(1)ハウス本体やビニール等への対応
@天窓・アーチパイプなどのハウス本体やビニールなどを点検し、破損個所を修繕しましょう。
Aハウス内の気温が急上昇することがあるので、サイドや天窓を開け換気をしましょう。
(2)作物への対応
@作物への泥の跳ね上げがひどい場合は、殺菌剤などで洗い流しましょう。
A潮風を浴びた作物は、散水して茎葉に付着した塩分を洗い流しましょう。
B即効性のある液肥を施用して作物の回復を図りましょう。




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