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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2010年 8月


8月1週号
【香南市】自家産サツマイモを使ったイモ天など販売

 同じ集落のサツマイモ農家らで構成する「はつらつクラブ」の4人は、農作業の傍ら、香南市夜須町の道の駅やすの中にある直販所「やすらぎ市」でイモ天などを製造・販売している。使用するサツマイモは、ほとんどがメンバーが作ったもの。地元の固定客も多く好評を得ている。

    
    
▲クラブのメンバー。左から川久保さん、濱田さん、近藤さん、宗円さん

 「味は抜群に良くても、傷があったり見た目が悪いと、値段がずっと安くなる。それなら自分たちで加工しようと、地元の料理教室で仲良くなった4人で始めました」とメンバーの川久保由さん(69)はきっかけを話す。 
  イモ天の販売を始めたのは9年前。やすらぎ市の敷地内で、当初は屋台だった。その後、2006年3月にやすらぎ市がリニューアルオープンした際、その一角を借りるようになった。
「店は対面式なので、お客さんと話せるのが楽しい。農産物の生産や主婦の仕事もあり、毎日忙しいけど、やりがいになっている」と川久保さん。仕込みは朝7時からで、平日は1人、そのほかは2人で営業する。
  使用するサツマイモは、メンバーの作るものがほとんど。初夏に収穫する早掘りカンショと、秋に収穫するサツマイモで、ハネものを中心に生産ものの1割弱ほどを使うという。
  また、イモ天のほかにも、サツマイモを練りこんだ蒸しパンやもち、大学芋、サツマイモの素揚げなども販売している。もちは、イチゴやカボチャ、エダマメなど、地元の果物や野菜を練りこんだものも作り、「色と香りのバランスを見ながら試作し、ほかのメンバーが味見して、販売するか決める」という。
  店は道の駅の中にあるが、値段の手ごろさなどから、地元の固定客も多い。「出来たてのサクサクの天ぷらはとてもおいしいし、1袋が200円と安いので、何回も買いに来ています」と話す香南市の主婦も常連の一人。近くのデイサービスの利用者が、団体で来店することも多いという。

▲イモ天を調理するメンバー

 また、市の地域雇用創造協議会の関係者と縁があったことから、シイラやフルーツトマト、ラッキョウの甘酢漬けなど、香南市の地産食材を使い、協議会が開発した「潮風バーガー」の加工と販売を任された。今年から、毎週日曜日に個数限定で販売している。
「お客さんの要望を取り入れて、新しい商品作りに挑戦したい」というメンバーは、「美人のおばさんがおいしく作るき、揚げたてを食べにきてよ」とPRしている。

 ▽営業時間=8時〜13時▽定休日=木曜日

(野島)




   

8月3週号
【高知市】二番茶使い「釜炒り茶」を製造 よみがえる夏茶

 「せっかく出てきた夏茶葉を、刈り捨ててしまうのはもったいない」と、高知市鏡狩山の川村雄作実さん(71)は、夏茶(釜炒り茶)の製造・販売に取り組んでいる。製造に当たって川村さんは、釜炒りの土台を自作。その上に釜を設置して、暑さの中、おいしい釜炒り茶を作っている。
    

▲釜炒り茶と日乾番茶を手に川村さん
 1980年ころまでは、一番茶のあとの二番茶(夏茶)などもJA茶工場(旧鏡村)で製茶を行っていたが、価格の下落などで採算が合わなくなり、製造中止となった。
 川村さんは、30eの茶園で「やぶきた」を栽培しており、「夏茶葉を機械で刈り捨てるのが惜しくて、2005年から釜炒り茶の製造販売を始めた」と話す。一番茶の収穫後、化粧刈りし、その後の新芽を6月末から7月上旬に収穫する。
 釜炒りは、天気の良い日に行う。前日の夕方に茶葉を摘採して、冷蔵庫で保管し、翌日の午前中に妻のケサ子さん(66)と一緒に炒るが、「この時期は雨降りが多いので、お天気が気掛かり」と話す。
 釜の土台はドラム缶を半分程度に切り、焚き口を開け、中にガスバーナーを設置。ドラム缶の上に直径約90aの釜を据え、大きなへら状のものを使って炒る。
 炒り方の目安は「生茶の裏は表より少し白いので、表の色と同じ色まで炒る。炒り若いと発酵するので火加減が大事」と話す。炒り上がった茶葉は揉捻(じゅうねん)機で揉み、天日に干す。
 「夏に炒るので、とにかく熱くてしんどい。設備投資をして少しでも楽にする方法を考えたい」と川村さん。出来上がった釜炒り茶は、冷蔵庫に保管し注文に応じて販売していく。
  販売先は「鏡店」と「鏡村の店・万々店」の2カ所の直売所だ。1袋70c・150円で販売。釜炒り茶の売れ行きは直売所から、携帯電話にメールが入るという。
▲生茶を炒る大釜
 川村さんは、一番茶、釜炒り茶のほかにも、9戸の地元茶農家と、秋茶葉を10月から11月末に収穫し、JA茶工場で蒸して揉む作業を行う。その後各自が持ち込んだ茶葉を持ち帰り天日干しに。この茶は日乾番茶として、地元の茶屋と直売所に販売している。
 直売所の利用者からは「釜炒り茶は、特有の香りが楽しめますし、日乾番茶は、ご飯のときにはなくてはならないお茶」と評判だ。
 川村さんは「釜炒り茶は20`程度しか作っていないので、あんまりお金にはならんけんど、もう少し増やしたい」と話している。

▽経営内容=茶30e、水稲40e、菌床シイタケ年間6500個
(山中)




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