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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2010年10月


10月2週号
【越知町】サンショウ栽培で地域活性化へ 軽労力が魅力

 ミシマサイコやダイダイ、シャクヤクなどの漢方薬の原料を契約栽培する、越知町の農事組合法人「ヒューマンライフ土佐」(片岡継雄組合長=74歳)が、サンショウの栽培を軌道に乗せた。山間地の有利作物として高齢農家の収入確保や生きがい、また、耕作放棄地対策としてサンショウが期待されている。

    
▲片岡組合長(奥は山椒子実分離装置)。ヒューマンライフ土佐は2009年度には5dを収穫、1億3千万円の売り上げとなっている
 ヒューマンライフ土佐は、「薬草の町づくり」をテーマに掲げ、株式会社ツムラと契約して6種類・82fの漢方薬の原料を栽培してきた。越知町がサンショウを山間地の有利作物とし、ツムラでも需要があったことから、8年前から栽培に取り組み始めたという。
 導入にあたり、町の担当者やほかの生産組織と共同で、先進地の和歌山県などを視察し、栽培方法などを学んだ。その後、主として町内の山間地で栽培を広め、現在、組合員106人、栽培面積の合計は約26f(町全体では約41f)となっている。木の成長に伴って収量も増え、2009年度には5dを収穫、1億3千万円を売り上げた。
 メリットは、消毒や肥料などの世話にあまり手がかからず、軽量で収穫の際も労力が少なくてすむこと。また、フユザンショウを台木にして接ぎ木することで樹勢を増し、木が枯れにくく、実が太くなり収量が増えたという。
▲サンショウについて話す高橋補佐

 「うちでは加工を前提として販売するため、形をあまり気にせず栽培できることも利点になっている」と片岡組合長は話す。
 薬となる実だけを出荷するため、3年をかけて「山椒子実分離装置」を独自に開発。1日に2dを処理することができるという。現在、和歌山県からもサンショウが持ち込まれ、ここで加工を行っている。
 設備面では、JAコスモスの旧茶工場を買い取り、サンショウ乾燥機10台、ミシマサイコの乾燥調製装置1台を新設。農家の利便性向上に力を注いでいる。
 越知町役場産業建設課の高橋昌彦補佐は、「サンショウは、植栽をすれば10年は収穫できる。条件不利地向きで耕作放棄対策にもなり、イノシシなどの鳥獣被害が少ないので、山間部の有利作物として期待できる」と話す。
▲ヒューマンライフ土佐の新工場
 サンショウを栽培する越知町柴尾の須内啓次さんは、「消毒や施肥が年4、5回必要だが、病気も割と少ないし、労力もそれほどかからないのでこれからも徐々に増やしていきたい」と話している。

(藤田)
    
    

   


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