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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2010年11月


11月1週号
【四万十町】窪川ポークに新ブランド
      米豚「仁井田米」給餌し食味向上

 配合飼料の価格高騰などの要因で飼料用米が注目を浴びる中、四万十町では、地元産米を使った配合飼料を与えた豚を「米豚(こめぶた)」として、今年から本格的な販売を開始した。「仁井田米」の産地であるネームバリューを生かし、新たなブランド化を目指している。

    
   
▲出荷前の豚に飼料用米入りの餌を与える都築さん

 四万十町では7戸の農家が、県全体の半数以上を占める約1万9千頭の肉豚を飼育。「窪川ポーク」のブランドで、年間約3万頭を出荷してきた。そのうち2戸の農家が今年、3千頭を米豚として出荷する。
  2008年、飼料価格高騰が養豚農家の経営を圧迫したことから、JA四万十管内の畜産農家や関係機関が飼料米活用研究会を発足。JA四万十畜産班の山脇係長が中心となり、参加農家の協力で、米の配合割合を微調整しながら試験飼育を実施し、詳細なデータを収集して最適な飼育方法を探ってきた。
  「出荷60日前から、飼料用米を5%入れた配合飼料を与えることで、平均体重増加量は通常飼育を上回る結果を得た」と山脇係長。食味品質比較評価でも、うま味成分の遊離アミノ酸総量と赤身中の脂質量が多いことが判明した。
  200人を集めて行った試食会のアンケートでは75%の人が、普通の豚に比べ、やわらかさ、食感、味と風味に「優れている」と回答。「脂の香りが良く、ジューシーで味も良い」と高評価を受けた。
 町内の飼料用米生産は、08年の1fから10年には10fに拡大。収穫量も4dから46d(見込み)に増加している。
▲米は出荷60日前から与える

 出荷された米豚は、高知市内の精肉店や同町の「みどり市」で販売。県内の宿泊施設、料理店などでも、米豚を使った食事を楽しめる店が増えている。
 今年、東京・銀座に開設した県のアンテナショップでも、米豚を使用したランチを販売。各種イベントで串焼きを販売するなど、PRに力を入れている。
 今年700頭を出荷する予定の都築建雄さん(56歳、同町向川)は「米豚がブランドとして広まり、町内の生産頭数が増え、販売価格も上がってくれれば」と期待する。

(大崎隼)



   

11月3週号
【佐川町】夢甘栗ともっ栗焼ポン



▲甘栗畑(60e、200本)で西森さん。「普通のクリより色が濃く、『黒いダイヤ』と呼んでいます」と話す

 「今年は少雨だったため、味が濃縮しておいしくなっています」と話す、仁淀川流域夢甘栗(ゆめあまぐり)生産組合(山本健次郎組合長、66人)の西森精一さん(61)。
  「夢甘栗」は、「七立栗」と「傍士甘栗」の交配種といわれているクリで、糖度が高く16〜20度を超えるものもある。小ぶりで渋皮がむきやすいのも特徴だ。収穫した後、2週間〜1カ月間、冷蔵庫で熟成し、さらに糖度を上げてから販売や加工を行う。
  特に好評なのは、ポン菓子の機械で加工した「もっ栗焼(くりやき)ポン」。県内各地で移動販売し、「リピーターが多く、各地で顔見知りが増えました。行くたびに買ってくれる常連さんもいます」と話す。
  西森さんは10年前の組合発足時から、事務局長として、クリの選別や販売などを担当。しかし、小さいサイズのものは、なかなか買い手がつかなかったという。

▲「夢甘栗」と「もっ栗焼ポン」

  「小さいものは、より味が濃くて甘い。みんなに食べてほしい」と、試行錯誤の末に商品化。3年前に販売を開始し、現在では大阪などへも出荷している。
 西森さんは、「当初植えた木が8年目、9年目になり、大きいサイズの実も増えてきた。今後は、ケーキなどの研究開発をする施設を作りたい」と話している。

▼問い合わせ=仁淀川流域夢甘栗生産組合
 電話0889‐20−0502


(井上)




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