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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2011年 5月


    

5月3週号
【黒潮町】「テマリソウ」にチャレンジ 需要高く栽培容易



▲花を付けたテマリソウを見守る長崎さん夫妻
 黒潮町出口の長崎竹春さん(61)は、妻のいく子さん(61)と共に、今年からテマリソウの栽培に取り組んでいる。
 長崎さんは、20eのハウスでカスミソウとテマリソウ10eを栽培している花卉(かき)専業農家。「テマリソウは全国的に生産量が少なく、市場からの需要も多いことを聞き、栽培することにした」と長崎さん。
 テマリソウは、一年を通しての出荷が可能で、日持ちも良く添え花として期待できるという。
 一般には、あまり知られていないテマリソウ。花の形は、マリモのようなグリーンの球状で、爽やかさとかわいらしさがある。
  1株から10本以上の花を採ることができ、10月上旬に定植して1月から6月まで収穫していく。病気や寒さにも比較的強く、今年は3戸の農家が栽培を始めた。
  長崎さんは「作業に追われることもなく、作ってみて面白そうなので、地域の農家にも広めていきたい」と話している。

(本田和喜)




5月4週号
【高知市】ミネラルトマト 価格低迷期の対策に
     ジュレ用販売で収益を確保

 JA高知春野トマト部会内のミネラル部(会員数5戸)では、トマトの生産量が他産地と競合する、6〜7月の値崩れに悩んでいた。ゼリーを生産している広島県尾道市の株式会社丸松に話を持ちかけ、トマトジュレを2008年に開発。生果と共に関西などのデパートで販売したところ人気商品となり、初年度は30万個が販売できたという。広瀬部会長(46)は「下級品のトマトを加工品にすることで収益確保に繋げたい」と意気込んでいる。


▲一個ずつ熟度を見ながら丁寧に収穫する広瀬部会長
 ミネラルトマトの栽培面積は約6fで、年間生産量は約千d。このうち、トマトジュレ用には20dを使用する。ミネラルトマトの1`平均価格は、11〜5月は300円。他産地と競合する6〜7月は200円となり、部会では、この時期のミネラルトマトを丸松に輸送する。
 丸松では、ピューレにして冷凍保存したものをトマトジュレに加工。関西のデパートや県内の量販店、レストランなどに卸している。
 1個110cのトマトジュレの小売希望価格は298円。ミネラルトマトを50l使用し、トマトの風味の他、甘さを抑えたさっぱり味に仕上がっている。 
 JA販売課の楠瀬課長代理は、「暑い期間は冷凍庫に45分ぐらい入れて、シャーベット状にして食べるのがお勧め。トマトジュレの需要は暑い時期は多いですが、寒くなると極端に減るので、どうやって売っていくかが課題」と話す。
 ミネラルトマトは、天然ミネラルを含む室戸海洋深層水の「にがり」と天然鉱石「麦飯石」を使った独自農法で生産。リコピンやビタミンCなどの栄養成分が増加する検査結果も出ている。
▲評判のトマトジュレ

 水耕で2f栽培している広瀬部会長は「はね物などを入れると反当り20dは採れるが、生果となると17dくらい。相場に左右されず、部会全員が安心してトマト作りに精を出せるようにしていきたい」という。
 部会では、トマトジュレの販売目標数を50万個と位置づけ、48個入りの箱をメーンに卸すほか、ギフト用に10個と4個入りも用意している。  
 「トマトジュレと生果をセット販売する他、新しい加工品を考えていきたい。トマトといえば春野をイメージできるよう多くの方々に知ってもらいたいですね」と、新たな商品開発とブランド化を視野に入れている。

(山中保広)





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