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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2011年 6月


    

6月2週号
【奈半利町】特産イチジクを栽培 手作りのジャムに手応え



▲「町のPRにつながればと、近所のイチジク農家に習いながら栽培し始めた」と話す東さん

  地元幼稚園の園長を務める傍ら、町の活性化につなげようと、奈半利町の東明夫さん(63)は、特産のイチジクを栽培している。
  同町では、転作の助成対象や県の産業振興計画事業に取り上げるなど、イチジクの特産化に力を入れている。
  東さんは、退職を機にUターンした3年前、町役場から紹介を受けて水田約10eに130本の苗木を定植した。
管理では、支柱を40a間隔で立て、二つの枝を一文字に仕立てて芯止めを行い、その間から伸びた樹勢の強い枝を残すよう剪定(せんてい)する。
  東さんは「1年目から収穫できたので、ジャムを作ったところ好評だった。商品化や販売ルートの確保に向け手探りしているところだが、広くアピールしていきたい」と意気込む。
  JA土佐あき奈半利支所の西野課長は、「JAでも新しい商品開発に努め、地域の特産品として、イメージを定着させたい」と話している。

(松本健司)
    




6月4週号
【三原村】省力化に挑む 水稲鉄コーティング灌水直播点播栽培

 三原村の集落営農組織「アグリサンシャインみはら」(佐藤禎助組合長=73歳、13戸)では、今年から水稲鉄コーティング灌水(かんすい)直播点播栽培に取り組む。収量は移植栽培に劣るものの、田植えまでの重労働を省力化できるため、期待が寄せられている。


▲田植機に直播用のアタッチメントを装着。通常の田植えと同じ感覚で作業できる
▲播種作業には村内の篤農家らが見学に集まった
 消費量の減少などにより米価が低迷する中、農家にとっては省力・低コストでの米作りが課題となっている。
  三原村上下長谷の集落営農組織「アグリサンシャインみはら」では、今年、37eで水稲鉄コーティング灌水直播点播栽培に取り組み始めた。これは、直播したときに鳥害を受けないよう、鉄粉などでもみをコーティングするもので、鉄が熱を発するため発芽しやすいという。
  また、通常の移植と同時に播けば、苗までの成長の分、収穫時期をずらせるほか、農閑期にコーティング作業ができるなど、労働配分の面でもメリットがある。
  「直播栽培は育苗と田植えの作業が省け、低コスト、軽労働に期待できる」と佐藤組合長は話す。


田植機に専用のアタッチメント
 5月末の播種は、組合員25人ほどが見学。株式会社四国クボタの社員の説明を受けながら、田植機に専用のアタッチメントをつけ、水を抜いた田に鉄コーティングしたもみを播いた。
上長谷地区で7fを栽培する専業農家の宮畑千年さん(68)は「毎年2千枚あまり育苗しているが、播種作業や苗の運搬は大変な重労働だ。克服する点も多いと聞くが、今回の結果次第では取り組みを考えたい」と話す。


発芽や苗立ち、雑草などが課題
 
▲鉄コーティング灌水直播実証田の前で佐藤組合長(前列左)ら

 幡多農業振興センターの中川泉指導員は「移植栽培に比べて発芽と苗立ちが悪く収量が不安定なため、水稲直播は全国的にも普及率がまだ低い。また、発芽期には雑草が生えやすく、除草剤をたびたび施用すれば経費が増え、低コストというメリットが半減する恐れもある」と指摘する。
 佐藤組合長は「直播栽培が定着するにはまだまだ課題も多いが、それを克服し安定した収量が確保できる可能性に期待したい」と話す。
 アグリサンシャインみはらでは現在、7fの水田のうち4fで飼料用米を栽培しており、直播技術が確立されれば飼料用米全てで取り組みたいという。

(宮崎俊雄)




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