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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2011年 7月


    

7月2週号
【梼原町】水稲黒マルチ栽培 雑草抑えて保水力向上


    
▲「マルチを掛けることで水不足の影響も受けにくい」と畑山さん

 四万十川上流域の静かな山間にある梼原町島中地区で、40㌃の稲を有機栽培する畑山雅さん(71)。
自宅近くの4㌃の水田で、市販の黒マルチを利用して「十和錦」の苗を植え付けた。株間10㌢、畝幅30㌢に穴を開け、二人がかりで手植えしながらマルチを敷いていく。マルチ掛けは重労働だが、雑草が生えず、保水力が上がり、低温障害にも強くなるなど効果は大きい。
  畑山さんは「穂が出る直前にマルチを取り除けば、再利用もできて経済的」という。自然農法にひかれて、28年前にボカシ肥料を利用した栽培を始めた畑山さん。稲の消毒には木酢液を散布するなど、自然にこだわった稲作りを手がける。
  「アトピー性皮膚炎に悩んでいた女の子が、症状が良くなったと、お礼を言ってくれたのがうれしかった」と笑顔で話す。

(松浦康博)
    




7月2週号
【佐川町】銘茶乃国土佐の紅茶 二番茶に付加価値



▲ペットボトルのほか、ティーバッグや茶葉も販売

 緑茶の二番茶を使用して作られた「銘茶乃国土佐の紅茶」が、全農こうちを通じ全国に流通している。昨年は2㌧を出荷。茶葉を生産する佐川町では、生産農家の所得向上につながると期待されている。
  出荷するJAコスモス営農経済課の澤村和弘課長(53)は、「二番茶に付加価値を付けたくて始めた」と説明する。一番茶に比べ価格が安く収穫する人も減りがちだったという。
  そこで、40年ほど前まで同町で盛んに作られていた紅茶の加工・販売ができないかと、高知県茶業試験場の協力を得て、2009年から試行錯誤を重ねた。ほとんどの工程が手作業で、1時間はかかる茶葉もみも、人の手で行う。
  出来上がった紅茶は、紅茶種の茶葉で作られたものに比べると、やわらかい香りで苦味は少なく、口当たりがまろやかだ。初めて飲む人にも受け入れやすく仕上がっている。
  澤村課長は「紅茶の手作り体験ツアーなどで、この紅茶をアピールしていきたい」と話す。

(尾崎裕二)     




7月2週号
【高知市】家族や地域の力になりたい



▲「エアーサービス高知」で、無人ヘリの
防除作業員をしている隅田さん。「防除のメ
ンバーは、みんな面白い人たちです」
 「1998年の高知豪雨で田やハウスが大きな被害を受けた。後片付けをしていて復興の大変さを身にしみて感じ、これからは家族と力を合わせて頑張ろうと思った」と、高知市大津の隅田憲司さん(38)は就農のきっかけを話す。
 現在は家族とともに、水稲約2㌶のほか、ハウスでユリなどの花き類約15㌃を栽培する。その傍ら、01年度からはJA高知市の共同防除組織「エアーサービス高知」で、無人ヘリの防除作業員をしている。
 防除作業を通じて地域の後継者と関わることも多く、農業のことからプライベートまで、いろいろな話をするという。「積極的に交流することで、地域とのつながりを強くすることができるし、刺激を受けることも多い」と隅田さんは話す。
 「良い物ができた時のうれしさが、農作業への意欲になっているのかも」という隅田さん。農作業の際、基本に徹して手を抜かないことを大切にする一方で、必要以上の手間をかけないよう、効率的な作業を心がけている。
 趣味は、10年ほど前に始めたバイクのトライアル競技。障害物を越えてゴールにたどり着く達成感が魅力で、ストレス解消にもなるという。
 隅田さんは、「できることを精いっぱいやることが大切。将来、家族労働の中で役割や責任が大きくなったときに、それを果たせる自分になっていたい」と話している。 

(浅野裕史)




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