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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2011年 9月


    

9月2週号
【香南市】直売に加え弁当作り、イベント…… アイデア次々と実践

 この10月で13周年を迎える香南市香我美町の直販所「あぐりのさと」(栁本章会長・63歳)では、経営委員らがアイデアを出し合い、弁当作りや体験、イベントなどに取り組む。新規会員も加入するなど、新たな風を取り込み、前進を続けている。

    
    
▲あぐりのさとの外観
▲「なっちゃる」の看板を囲む栁本さん一家。左から章さん、尚美さん、慰衣さん
 
 あぐりのさとは、西川地区活性化推進事業の一環として1998年にオープンした。現在、生産者の会員は約100人だ。
  16人の経営委員が毎月1回、委員会を開催し、新しい取り組みなどを検討している。
  昨年から直販所に併設しているふれあいコーナーで、1日約30食のモーニングの提供を開始。地元の食材を使った料理が人気を集めている。今年は20~25人を収容できるオープンデッキを設置し、景色を眺めながら直販所で販売する山菜寿司(ずし)やうどんなどを食べられるようにした。
  また、平日は田舎寿司作りとハラン細工体験を実施している(要予約)。

観光協会とタイアップ
  今年5月には、市の観光協会が主催する「香南おれんじうぉーく」の弁当を担当した。
  観光協会の近藤かおりさんは「あぐりのさとの『香南の幸お弁当』は、竹の器を使っていて、とても好評でした。今後は『田舎寿司作り体験&季節のお花見コース』も企画する予定です」と話す。

「地元の良いもの」を
  栁本会長は「地元の良いものを売る」ことを目標として、妻の慰衣(やすえ)さん(56)と、あぐりのさとの運営に当初から携わる。そこに今年、三女の尚美さん(29)が加わった。高知市の旭ロイヤルホテルなどでの約10年のパティシエ修業を終え、5月に菓子工房「なっちゃる」をオープン。
あぐりのさとの会員に登録し、地元の産物を使って自然な味を生かした「山北みかんのムース」など菓子を出品している。
慰衣さんは「娘の作るお菓子の材料にと、自家産の野菜や果物の周年栽培に取り組んでいます。菓子工房の成長を支援することで、地域活性化という自分たち夫婦の夢にも近づけます」と話す。
▲あぐりのさとでは田舎寿司を作ることができる

まもなく創業祭
 あぐりのさとでは、10月22~23日に創業祭を開催。餅つきやアメゴの塩焼きの実演販売、山北みかんの詰め放題などを予定している。また、視察の縁などで交流を深めている町村から、22日には池川町の茶や茶プリンなど、23日には三原村のどぶろくやまんじゅうが出品されるという。

(武内由佳)



◆あぐりのさと
  営業日=毎週土・日曜日
  営業時間=8時半(11~3月は9時)~16時
  ☎0887・54・2128(体験予約も)
    



9月2週号
【大豊町】周囲の反対押し切り就農3年目
     責任感ある農家でありたい

    

▲「自然の中で元気いっぱい育つ野菜を想像しながら食べて」とミニトマトのハウスで杉本さん
 就農3年目の杉本和也さん(31)は、大豊町桧生の標高約600㍍の畑で、化学合成農薬や化学肥料を使用せず、トマトを中心に野菜を育てている。
  「おまえのどこを見ても農業で成功する可能性は1%もない」という周囲の猛反対を押し切り始めた農業。
  今年新たに1棟(5㌃)のハウスを借り、計2棟(13㌃)で、ミニトマト、中玉(「フルティカ」)、大玉(「麗夏」と「桃太郎ゴールド」)を栽培する。
  嶺北の冷涼な気候を生かし、平野部の野菜が少なくなる7月から11月末まで収穫。量販店に出荷する。「作業は主に1人ですが、収穫や袋詰めなどの忙しい時期は、両親が高知市内から手伝いに来てくれています」。今では反対していた親戚も協力的で見守っている。
  「責任を持って生産し、消費者に直接届ける仕事をしたい」と農家になる決意をした杉本さん。その思いを形にするためにブランド名が必要と考え、2人の娘、陽菜(ひな)ちゃんと晴香(はるか)ちゃんの名前を取って「はるひ畑」とした。
  「ハウスが借りられたら別の野菜も試してみたいし、雇用も考えたい」と目を輝かせる杉本さんだ。
(宮内理香)
    



9月2週号
【土佐市】国内クレジット制度活用
     CO2を売買契約 収入アップ図る

    
    
▲国内クレジット認証書を取得した西原代表


  「ヒートポンプの導入によりコストの削減を図り、国内クレジット制度を活用して、少しでも収入アップを目指したい」と話す西原博明さん(51)は、ユリやメロン、シシトウなどを栽培する土佐市の施設園芸農家で組織する「土佐省エネ組合」(19戸)の代表を務めている。
国内クレジット制度とは、中小企業や農家などが削減したCO2の排出量を国内クレジット認証委員会の認証を得て販売できる仕組み。全国でもさまざまな取り組みが実践されている。
 西原さんらは、3年ほど前の重油価格の高騰を受け、生産コストの縮減を図るために組合を設立。計76台(1戸当たり2~12台)のヒートポンプを導入し、削減するCO2の売買を地元の電力会社と契約した。



▲土佐省エネ組合の総会に電力会社のコンサルタントを招き検討する会員ら




 現在、1378㌧の削減が確定しており、約138万円の収入を見込んでいるという。
 西原さんは「私たちの組合のCO2削減量は、農業部門の取り組みの中では全国でもトップクラス。たくさんの農家にこの制度を知ってもらい、有効活用してほしい」と話している。




(石元孝典)
    




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