10月3週号
【南国市】ごめんケンカシャモ 商農連携で羽ばたく
坂本家遠祖三代が眠る才谷地区を有する南国市で、「『龍馬が食べそこねたシャモ鍋』を食べてもらい、活性化につなげたい」と、農家や商工会などの同志が「ごめんシャモ研究会」(立花智幸会長代行、10人)を設立。生産や販路拡大に取り組んでいる。 |
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▲「シャモはめずらしいき、いろんな人が見にきてくれる」と岡林さん |
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▲10月に行われた「土佐豊穣祭」でも販売 |
「シャモ肉は味が濃く、身が締まっていて風味豊か。鍋にすると、野菜にだしがしみておいしい」と話すのは、シャモを飼育する岡林胡桃さん(76)。
研究会を設立した2009年7月当初、市内にはシャモ農家がなく、研究会の呼びかけに、「若いもんが頑張りゆうき」と応えたのが岡林さんだ。
現在では農家は4戸に増加。県立高知農業高校や県畜産試験場で孵化(ふか)したひなを、1戸の農家で約2カ月育てた後、岡林さんら3戸の農家が出荷まで飼育する。雌は生後約6カ月、雄は7〜8カ月が目安だ。鶏舎はハウスなどを利用した平飼いで、十分な運動量を確保。餌には飼料用米も与えている。
また、研究会も、シャモの移動や出荷作業の手伝いや、飲食店への仲立ちなど役割分担をして取り組む。
1年目は100羽を飼育。地元の特産ショウガを利かせた鍋を作り、地域のイベントで好評を得たほか、10年には彩の国鍋合戦(埼玉県)で、全国から集まった39の鍋の中で第六代鍋奉行(1位)に輝いた。
市内飲食店が提供
香美市在住のデザイナー・梅原真氏に依頼し「ごめんケンカシャモ」と名づけてブランド化を推進中だ。
同年11月から市内の飲食店10店舗で創作シャモ鍋の提供を開始。飲食店は「ごめんシャモ鍋社中」に加盟し、ごめんケンカシャモを使用すること、具材に南国市産の野菜を1品以上使用することなど八つの約束を決めた「社中八策」に沿った料理を提供する。
研究会では加盟店が一覧できるマップを作るほか、ブログなどを使って宣伝に努めている。龍馬をしのびシャモ鍋を振る舞う才谷地区の「才谷龍馬祭」も、一時中断していたが研究会がきっかけで復活した。
「まずは市民に広く知ってもらい、いずれ『南国市にシャモあり』となればうれしい」と立花さん。
関連商品も展開
本年度は2千羽の出荷が目標。加盟店は15に拡大し、商品にたこ焼きやパンなども加わる。現在は高知県産業振興計画アクションプランに参加。将来的には法人化を目指す。
立花さんは「味と質の安定と向上に努め、3千羽を目標に、特産品として育てたい」と話している。
(小松智絵)
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▲シャモ(左)とシャモ鍋 |
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