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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2011年12月


12月1週号
【四万十市】ホースセラピーが子供の心を癒す


    
▲馬術部員と乗馬を楽しむ児童
 
 
 高知県立幡多農業高等学校(松本公夫校長、生徒380人)馬術部では、馬術競技のほか、2010年から動物介在活動を実施。現在、毎週日曜日に2人の自閉症の児童が馬とふれあっている。
  ホースセラピーに、心身への効果があると聞いた保護者が、同校に依頼したのがきっかけだ。
  「馬が人に与えるセラピー効果を確かなものと感じています。純粋に乗馬を楽しんでもらうことと、安全に心がけています」と監督の小山創先生は話す。
  「日頃あまり言葉を話すことがなかった子供が、馬に乗り始めてから話す機会が多くなり、顔の表情も出てきました。最近は馬の絵を描いたりしています。プールにも飛び込めるようになりました」と保護者は喜んでいる。
 同校馬術部は、08年の全日本高等学校馬術競技大会で、全国優勝を成し遂げた強豪チーム。

(宮崎俊雄)
    





12月2週号
【仁淀川町】茶のうまみ 存分に生かして



▲ほうじ茶とかぶせ茶を使ったプリンを手にする山中社長。「1度に300個程度作る」という
 仁淀川町池川地区では、茶を栽培する農家が多いが、急須で飲む茶の販売や消費が、ペットボトルの茶に押され低迷している。「おいしいお茶を多くの方に味わってもらうにはどうしたらいいのか」と株式会社池川茶園の山中由貴社長(62)は、4年前にこの状態を打開しようと生産者6人と話し合い、「ここに来ても土産などを売っている店や休憩する所がないことに気づいた」という。
  そこで、茶葉を使った菓子作りを思い立ち、今年、県の産業振興の補助事業を受け、商品化に取り組んだ。
  「私たちは、素人の集団で知らないことばかりでした。皆さまからの支援のおかげで今年の7月にスイーツ工房と店を開くことができ、感謝の気持ちでいっぱいです」と話す。
  菓子職人からの指導や助言を受け、ほうじ茶とかぶせ茶(茶の木に黒いシートをかぶせ、直射日光を遮って栽培したもの)を使った2種類のプリンを商品化。「プレミアム茶畑プリン」と名付けた。
 卵を使わず生クリームを主としたプリンの上に、茶の風味たっぷりのゼリーが乗っていて、今までにない茶のうまみが味わえる。新聞などで紹介されたため、県外客も多いという。
 四万十市から訪れた女性グループは、「おいしいプリンがあると人から聞いて来てみました。こんなの初めて。最高」と感激していた。
 茶葉を使った菓子は現在、プリン、くず餅、パウンドケーキ、ラスク、クッキーの5品。将来は、「店を茶カフェにして多くの方に来ていただければ」と話している。
▲ほうじ茶とかぶせ茶のプリン、1個350円

 販売は、店舗のほか、中津渓谷「ゆの森」、インターネット(http://www.ikegawachaen.jp/)でも扱う▽問い合わせ先=池川茶園(☎0889・34・3100、休みは不定期。営業時間は午前10時~午後6時)

(掛水勇雄)








12月2週号
【四万十町】自家産・地場産ショウガでシロップ作り
      ラベルも自作 レシピ添えて

 国内の生産量の6割を占める高知県のショウガ。その中でも日本一の作付面積を誇る四万十町で、有機栽培されたショウガを使ったジンジャーシロップが作られている。


▲ショウガ畑で収穫作業をする桐島さん夫妻

 季節の野菜を120㌃の畑で有機栽培し、「桐島畑」のブランド名で全国各地に宅配している四万十町久保川の桐島正一さん(46)・美郷さん(47)夫妻。ショウガのB級品を加工品として利用できないかとシロップの商品化を手がけ、4年前に発売した。
 「収穫量を増やすため化学肥料を大量に入れると、チッ素が多くなり病気にもなりやすい。少量の有機肥料で、小ぶりだが味が濃く、辛味の強いショウガを作っています」と話す正一さん。
 最初は3㌃から始めたショウガ栽培。現在では20㌃にまで増やしたが、シロップが人気で生産が追いつかず、町内の有機栽培の仲間からも購入している。
 11月初旬に収穫したショウガは、県の補助事業を受けて今年3月に完成した加工場に持ち込む。全て手作業で洗浄して皮を削り、厚さ2㍉ほどにスライス。四万十川水系の水で1時間ほど煮込んで一晩寝かせる。翌日、ショウガを取り出し、味に深みの出る鹿児島産の粗糖を入れ、煮込めば完成だ。
 一作業で約70㌔のショウガを使用し、200㍉㍑瓶650本分ができる。「ショウガの持つ力を引き出して、そのままシロップに生かすことを目指しました」と美郷さんは話す。
     
▲瓶詰めされたジンジャーシロップ
▲瓶詰め作業の後、煮沸消毒して完成

 シロップは、需要の多い冬場は月4回、夏場は2回ほど生産する。また、途中で取り出したショウガは、入浴剤や粉末、ショウガチップスなどに再加工している。 
 美郷さんは元々、県外でデザイン関係の仕事をしていて、地元の山と四万十川のかわいいイラストが描かれたシロップのラベルを自作。手書きのミニレシピもつけた。 
 ジンジャーシロップの販売価格は、200㍉㍑入り630円、400㍉㍑入り1150円。道の駅四万十とおわやナチュラルハウス高知店などで販売、インターネット販売も行っている。

(大崎隼人)














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