3月4週号
【東洋町】ポンカンドリンクなど 土産向けを業務用に
販路拡大へ戦略強化/甲浦の果樹仲間
「ポンカン」の栽培が盛んな東洋町で、生果を出荷する傍らジュースなどを作っている「甲浦の果樹仲間」。土産用として作ったが、5年目となる現在、販売対象の見直しなど新たな取り組みを始めている。 |
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右は「甲ちゃんのポンカンドリンク」を手に杉本さん。左は「甲ちゃんのポンカンとゴマのドレッシング」を手にメンバーの生田ウメノさん(71) |
東洋町は国のパイロット事業でポンカンを導入し、栽培面積で県全体の約28%、生産量では県内一の約41%を占める生産地だ(いずれも高知県推計・2010年現在)。
甲浦の果樹仲間のメンバーは、園地が近い4人。代表の杉本孝子さん(50)は、「価格が下がる中、加工品にすることで経営性を高めようと思った。東洋町はサーフィンが盛んだが、ポンカンは冬の果物。夏しか来ないサーファーにも見てもらえるよう、土産物を作ろうと決めた」と話す。
6年前に、4倍に薄めて飲む「甲ちゃんのポンカンかんドリンク」と「甲ちゃんのポンカンとゴマのドレッシング」を開発。5年前に販売を開始した。「ポンカンを搾ったものは、冷蔵すると苦くなる。ドリンクは苦さを程よく抑え、さわやかに仕上げている」と杉本さん。少量加工のため、設備投資よりも県内企業の利用を選択した。
ポンカンは12月に収穫し、酸味を抜くため2月初めまで寝かせる。その後、越知町の岡林農園で搾汁し、冷凍して東洋町商工会の保冷庫を借りて保管。加工は香南市の有限会社龍馬の里で行う。自分たちでラベルを貼って完成だ。
ポンカンドリンクは、取引先の一つがモニターアンケートをとった結果、ジュースよりも酒を割るのに使うニーズが高いことが判明し、販売2年目に味をやや甘さ控えめに改良した。
11年度は合わせて2千本を作り、1800本以上を販売。今年は560`のポンカンを使い、各千本以上の生産を予定。業務用を中心に営業していくという。また、来年度から4年間、県地域振興計画のアクションプランにも参加する。
県産業振興推進部地域づくり支援課の囀cさんは、「営業に一部同行したり、新商品開発の指導を受けられるようにするなど、サポートしていきたい」と話す。
大阪に近々営業に行く予定という杉本さんは、「もう少し力をつけて、シャーベットなど新たな商品の開発や、容器の大きさの種類を増やすなど、もっとバリエーションを広げていきたい」と意気込む。
▽主な販売店=キラメッセ室戸、海の駅とろむ、海の駅東洋町、てんこす
ドレッシングは300_g入り580円、ドリンクは500_g入り1300円
(井上朋実)
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