6月1週号
【いの町】地元のユズ、マンゴーをアイスに 生産意欲の向上に貢献
納得の農家と契約/高知アイス
日照量の豊かな高知県で育った果物や野菜などをアイスクリームやシャーベットにする、いの町下八川の「高知アイス」。"高知を愛す"の意味を込め、浜町文也社長(53)が名付けた。無農薬・減農薬で栽培されたユズやマンゴーなど、食材の自然の味をそのままアイスに生かす。地元の農家に直接出向いて契約を結ぶことで、生産意欲の向上につながっている。2010年には、国の農商工連携88選にも選ばれた。県内の量販店の他、全国のデパートなどに販路を拡大している。 |
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▲浜町社長 |
浜町社長は、「農家は物を作るだけではなく、お客さまをもつくる。買ってくださるお客様のことを思って栽培している農家を選んでいます」という。理由は、「生産者を直接訪ねることで、畑の条件や栽培方法を確認できるし、なんといっても、安心でおいしい食材がほしいですからね。生産農家の意欲にもなれば」と話す。
ユズは香りと程よい酸味を心掛け、また、マンゴーは、独特の風味を生かすために、果汁73%のシャーベットに仕上げた。
農産物やそれを加工した商品の味は、消費者が評価することから、「最初の一回で納得し、感動してもらうアイスにしないとリピーターにならない」と言い切る浜町社長。
ユズやマンゴーアイスなどの販売量は、少しずつ増加し、販路を拡大中だ。
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▲「ユズの収穫は枝と枝の間に体を入れて行うため、邪魔になる新芽を除去(芽かき) しています」と和田さん |
ユズ酢で出荷し販売単価が向上
上八川地区で20年くらい前からユズを栽培している和田勉さん(79)は、25e(約200本)の畑で無農薬栽培に力を注ぐ。
高知アイスの工場がこの地にできた時、出荷をしてみないかと誘いを受けたという。「以前は、玉で出荷するだけだったが、今は、全てのユズを搾って酢の状態で出荷している」と話す。
「出荷量は年により異なるが、単価は酢玉で出荷するより手間を掛けて酢に絞る方が良い。農薬は使わないし、有機肥料を使用しているので安心して口にすることができる」と説明する。
マンゴーを提供 技術向上へ意欲
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▲マンゴーの摘果が終わり収穫を待つ村田さん。「小さいものはベビーと呼ばれ味が良く、お客さんに人気がある」という |
いの町枝川地区で10年ほど前からマンゴーをビニールハウス22eで栽培している村田正幸さん(64)。厳選された糖度17度のマンゴーを高知アイスに販売する。
数年前までは順調に生産量も増えたが、木が大きくなるにつれ日当たりの問題が出てきたという。そこで村田さんは、宮崎県に何度も研修に出向く。「その度に栽培方法が少しずつ違っていた。マンゴー栽培はまだまだ完成されていないようです。独自の研究もしていきたい」と話す。
収穫は、6月中旬から8月初旬までで、高知アイスの他、個人、量販店へ出荷・販売している。 (門田浩二)
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▲ユズ、マンゴー、茶、イチゴのアイスやシャーベット |
6月3週号
【NOSAI香美】ミカンハウスの電気柵設置を助成
獣害防止へ支援拡充
NOSAI香美では、17年前から水稲共済組合員を対象に、獣害(イノシシ食害) 対策として、圃場を囲うトタン柵や電気柵の設置の支援していた。現在は効果の高い 電気柵と防護ネットの設置助成を行っている。
今年は、ハウス温州ミカンを栽培する組合員を対象に、ハクビシンやタヌキ等の対策として、電気柵の設置助成も始めた。
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▲ハウス外側に電気柵を設置。ハクビシンやタヌキなどの侵入を防ぐ |
香南市香我美町でハウス温州ミカンを40e栽培している恒光真之さん(55)は、「10年前からハクビシンやタヌキの被害を受けている人がいる。被害は小さくても
被害に遭った果実を放っておくとカビが発生し被害が拡大することもあるので、後始末も必要になる」という。
「市やNOSAIからの助成があると聞き、新しく電気柵を取り付けた人がいる。他にも被害に遭って困っている農家がいるので、伝えたい」と電気柵の効果に期待を寄せている。
(北岡勝)
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