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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2012年 7月


    

7月1週号
【土佐町】素材の味を生かす/ピクルス屋いく農園

 
    
▲夏野菜のトウガラシを定植する川谷さん夫妻。「8月には収穫できます」という

  農産物の加工品は、B級品や生産過剰になった物を使う場合が多い中、土佐町相川の「ピクルス屋いく農園」の川谷活心(いくみ)さん(33)・美紀さん(35)夫婦は、不耕起の有機栽培で育てたA級の生鮮野菜など30種類を使用。酢やミリン・香辛料を加えピクルスにし、県内外の小売店への卸す他、ネット販売なども行う。
 活心さんは「仕事をしていて、料理を作るのが大変な方にお勧めしています。手軽にピクルスを料理に使ってもらいたい」と話す。
 40eの畑で雑草などを堆肥に、ふかふかの土で野菜を栽培。採りたての野菜をピクルス専用の厨房で加工する。
 葉物以外の野菜ならピクルスにできるという。ニンジン・大根・原木シイタケなどを使い、大小さまざまな瓶に詰めていく。
  作り方は、市販の酢をベースにして、甘味を出すためにみりんを、特に甘くしたいときにはリンゴ酢を使う。隠し味に自家製の梅酢を少量使い、野菜のうまみを引き出すこともあるという。「すばやく調理をして鮮度を保っています。香辛料は控えめ、調味料はシンプルに素材の味を大切にしています」と活心さん。
 瓶詰めのデザイン、ギフトのパッケージ、ホームページなどは美紀さんが、レシピや野菜の生産は活心さんが受け持つ。市内の量販店には夫婦で出向き、レシピや食べ方などをPRしている。
 川谷さん夫妻は、「ピクルスを始めて3年目になります。たくさんの方にピクルスを使ってもらいたいですし、今年は5,000本以上を販売したい」と話している。




   

7月2週号
【奈半利町】遊休農地管理はヤギにおまかせ



▲今年4月に生まれたトカラヤギを抱く坂本さん

 奈半利町米ヶ岡で水稲70eを栽培する坂本年男さん(61)は、遊休農地の管理用に、ヤギを飼育している。同地区では遊休農地が約5fあり、管理者の高齢化もあって維持管理に悩まされている。
「牛を放牧する方法もあったが、柵で囲う必要や移動の際に畦が削れたりするので、小型のヤギがいいと思った」と話す坂本さん。
3年前に知人を通じてトカラヤギ1頭を導入。現在ではトカラヤギを含め7頭まで増やした。将来的には10頭くらいでローテーションを組み、農地の除草管理をさせるように計画している。
「イノシシやサルはヤギを嫌うそうなので、獣害対策も兼ねて一石二鳥になる。効果が出て、多くの地域で活用できれば」と坂本さんは期待する。

(坂本記一)






7月2週号
【土佐市】畳文化を守り続ける/土佐市波介イ草加工組合

 


▲11月下旬〜12月上旬に定植したイグサの刈り取り作業は7月上旬から始まる。右が高達代表、左が岡崎さん
 「3年前から品質の良い長く成長した一番毛だけを選んで製織し、ブランド化した『土佐龍馬畳表』が好評です」と話すのは、土佐市波介イ草加工組合代表高達康喜(たかがしらやすよし)さん(66)と岡崎誠さん(63)。
 土佐市波介地区では昔からイグサ栽培が盛んだったが、低価格の中国産の影響やフローリング志向が強まったことから栽培農家数は年々減少。県内の生産農家数は現在、3戸になっている。
 同組合は2戸の農家で栽培面積3f、加工生産量は、畳表約12,000枚を出荷。その中でブランド土佐龍馬畳表は約5,000枚を出荷し、価格も安定しているという。
 「今年は低温が続いているので生育は遅いが順調です。ここの圃場は水害も多く冠水もしたりしますが水に強いイ草には土壌も粘土質で栽培には適しています」と高達代表。「古くから受け継がれた畳文化を、これからも守っていきたい」と話してくれた。

(森田建實)



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