8月2週号
【南国市】ブルーベリー早出し 端境期狙い高値販売
温暖な気候を生かして 4月はキロ5,000円に
ブルーベリーは、病害虫の発生が少なく、女性や高齢者でも軽労働で取り組める果樹として、近年栽培面積が増え続けている。主産県は長野、群馬、岩手などで、これまで冷涼な地域での栽培が多かったが、アメリカ・フロリダ州などで新たに育成された、開花に必要な低温要求時間の少ないサザンハイブッシュ系品種が10数年ほど前から日本に入ってきた。南国市下末松の大崎徳男さん(62)は、ブルーベリーの栽培情報を本などで収集。低温要求時間の短さから西南暖地の温暖な気候を生かせるのではと、2001年に日本に入ったばかりのサザンハイブッシュ系品種を導入。今では28eのハウスで加温と無加温による早出し出荷に取り組んでいる。 |
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▲「出荷まで予冷する」と大崎さん |
ブルーベリーは、チリなどの外国産と国内産の露地との端境期に生果出荷している。出荷の最盛期は5月で、家族3人が力を合わせ果実の付け根の軸の部分が実と同じ濃い青紫色になった完熟したものから順番に一粒一粒丁寧に収穫。収穫期は4月から6月末までで、直径1a以上のものを収穫する。「多い日には一日60箱(12パック入り・1パック100c)の720パックを詰め、予冷し出荷している」と大崎さん。
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▲パック詰めされたブルーベリー |
地元のJA長岡から県園芸連を通じ全国の市場に出荷されていく。市場価格は、はしりの4月は1`5,000円と高く、露地ものが出荷される6月でも2,000円で取引されるという。
「健康志向ブームがあり、面白いと思って水耕栽培のハウスをブルーベリー栽培に切り替えた」と大崎さん。生食出荷で食味のよいサザンハイブッシュ系の「ミスティー」とノーザンハイブッシュ系の「スパータン」をコンテナと9号鉢を使い栽培する。
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▲たわわに実ったブルーベリー |
10e当たりの平均収量は1dほど。「隔年結果なのか原因が分からないが3、4年に一度の頻度で収量が落ちる。今後研究していきたい」と話す。現在、県内では、四万十町・いの町・安芸市・高知市(春野町)などで栽培され、約20戸・6f(露地栽培含む)に及び、ほとんどが個人販売だ。
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▲ブルーベリーの出来を確認する大崎さん(左)と中平研究員 |
産地化にも意欲
高知県でのブルーベリーの産地化に意欲的な大崎さんは、「現地検討会などでハウス栽培の技術をつなぎたいし、加工品開発や他の有望な果樹や農産物を探して栽培も手がけたい」とさらなる活動に夢を膨らませている。
高知県果樹試験場の中平主任研究員は、「新たに県果樹振興計画の推進品目にも位置づけられた。試験場では、より収益性を高めるため、無加温栽培による早出し出荷体系について研究している。新規就農者や園芸農家の補完品目として提案し産地化に結びつけられれば」と話している。
8月2週号
【香南市】シカ肉でドッグフード/小松治子さん
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▲「自然食品なので、愛犬に食べさせてみて」と話す小松さん |
「昨年、ジビエ料理の講習で、初めて食べたシカ肉がとてもおいしかった」と話す、香南市香我美町の小松治子さん(43)。
香美市地域雇用創造協議会が主催する推進事業でシカ肉の活用講座を受講した小松さんは、「シカ肉は低カロリー、高タンパクで鉄分を含んでいます。犬にも食物アレルギーがあるようなので、飼い始めた愛犬にジャーキーを作ってみることにしました」という。
自然のもの使って地産地消に繋げようと、「シカ肉の加工には、食品検査を数回受け、1カ月以上賞味期限のあるドッグフードができました」と話す。
販売は、同市香我美町の地場産品直販所「あぐりのさと」。「THE WILD DOG FOOD」の商品名で7月から販売している。
▽1袋25c400円。
(竹村元宏)
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