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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2012年 9月


    

9月3週号
【高知市】カラスから新高梨守れ
     週2回早朝パトロール ロケット花火で追い払い
     住民も協力して成果/高知市針木地区

 高知市針木地区は贈答用として人気のある「新高梨(まるはりにいたかなし)」を生産しているが、近年カラスの食害被害が増加。針木梨組合(33戸)では、2010年に約3万個(被害額1,500万円)の被害が発生した。そこで、「地域の宝」を守ろうと、生産者と地域住民、酪農家、関係機関などが一体となった「針木地区カラス対策協議会=石黒康誠会長(51)、構成員22人」を2011年5月に設立。パトロールや防鳥ネット、捕獲用わなの設置などで、カラスの被害防止に成果を上げている。



カラスの被害を確認する石黒協議会長。「6月の袋がけから収穫まで被害が続く」という

 針木地区カラス対策協議会が発足する前は、カラス対策として爆音機をナシ園に設置していたが、カラスは音に慣れて危険でないことを学習。効果が小さくなることに加え、近隣の住民から爆音への苦情が相次いだため、12年に全て撤去した。

 爆音機の替わりに、魚網の防鳥ネットやテグスをナシ園に張り侵入防止を図る他、ネットのないナシ園の被害をカバーするため、「針木カラスパトロール隊」を組織。地区住民らの散歩を、ナシのパトロールコースに変えてもらった。




「(カラスが)あそこにおるねえ」とパトロール中の対策協議会のメンバー

 パトロールの時には、オレンジ色のベストやTシャツを着用。カラスを発見した時は、ロケット花火で追い払う。「今ではオレンジ色のベストを着た人間は怖いものと認識している」という。パトロールは、週2回、早朝の6時から一斉に行い、少しでも長く滞在できるようにベンチを設置している。

 同協議会メンバーの中の人が、わな狩猟免許を取得し、捕獲用の檻(おり)2基をカラスの集まりやすい場所に設置。檻には、おとりのカラスを入れて誘う。
 針木梨組合の岡ア正一組合長は、「以前は1,000羽近くいましたが今は100羽ぐらいに減っています。約1年間で168羽の捕獲駆除を行いました。地域ぐるみで新高梨を守ってもらっています」という。

 昨年の被害個数は一昨年の約3分の1の1万1170個に減少。さらに今年は前年同時期の約半分の4000個となり、着実に成果を上げている。

ウオーキングコースを巡回し、一休みする対策協議会のメンバー(右端が石黒協議会長、中央が岡ア組合長


 同協議会の石黒会長は、「今後は住民の方と親睦会を行ったり、南海地震などの防災対策にも参加して、地域と共に歩んでいく組織を目指したい」と話している。
    




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