本文へスキップ

農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2012年12月


    

12月2週号
【大豊町】ジビエに付加価値を グルメフェスタに2000人が来場
     有害獣駆除の促進へ期待

 狩猟で捕獲したシカやイノシシなどの野生鳥獣の肉(ジビエ)を調理し広めることで、無料同然の肉に付加価値を付けようと、大豊町にある「ゆとりすとパークおおとよ」のマネージャー・西村直子さん(42)が企画し、同施設で「四国ジビエグルメフェスタ」が行われた。 ご当地グルメの食材として消費拡大や有害獣の駆除の促進など、農作物の被害低減につながることも期待される。

西村さん
 近年、山間部を中心にイノシシやシカなどの野生動物による農作物への被害が後を絶たない。狩猟による駆除も行われているが、狩猟者が減少し、捕獲されたものは、ほとんど処分され、捨てられているのが現状だ。こうした鳥獣の肉を食材として調理し、加工・販売することで、購入した店にも利益が生まれてくる。


 西村さんは、10年間滞在したニュージーランドで開催されていた「ワイルドフードフェスティバル」で野生の動物を食すイベントに参加。「地元住人の数倍もきていた。高知でもそれができないかと思い開催した」とグルメフェスタのきっかけについて説明する。


イノシシの丸焼きは、多くの来場者を引きつけた
 グルメフェスタの料理にはイノシシ、シカ、カンガルー、ワニなどの肉が使用され、高知市から来場した女性は「なじみのないお肉ですが、どれも美味しい料理。景色も良く、たくさんのお店の味を楽しめました」と話す。


 使用されたジビエ肉は県内の加工場数カ所から搬入。「十分な量を確保するのは大変だった」という。複数の加工場から取り寄せることで技術向上にもつながり、横の連携も広がれることも期待されている。


 西村さんは、「イノシシやシカ肉はおいしくないイメージを持っている人が多い。各部位によって味が違うので専門家が正しい調理をすればおいしく食べられる。野生動物なので添加物の使用はなく、ヘルシーで時代にも合っている」と話す。

ジビエ料理を食べようと多くの来場者が
並んだ


 今回のグルメフェスタでは、四国内の店舗約20店がジビエ料理を販売し、約2000人が来場した。「手応えはあった」と西村さん。「今後の開催は未定だが、タヌキやハクビシンなど、種類をさらに増やしたい。ジビエの良さをもっと多くの人に知ってもらいたいし、消費拡大になれば」と意気込んでいる。

(山本尊光)     





   

12月2週号
【香美市】肌に優しいせっけん作り/西熊希民子さん


▲鹿はちみつせっけん(前列右端)のほか、ぬかや梅、どぶろくなどの種類がある

 香美市物部町大西の西熊希民子さん(44)は、知り合いの猟師から譲り受けた脂が多いシカの部位で「鹿はちみつせっけん」を製造している。丁寧に精製し、植物オイルなどを混ぜ合わせ、2年程試行錯誤を重ねて開発した。
 このせっけんを作り始めたのは、6、7年前。西熊さんは「子供の肌荒れが他のせっけんでは治らず、悩んでいたときに、ラードのせっけん知り、シカやイノシシの脂でせっけんが作れないものかと思いました」と振り返る。
 出来上がったせっけんで子供の肌荒れも良くなり、ネット販売したところ、「肌の弱い方や乾燥肌に悩む方から大きな反響がありました」と話す。
 現在は、鹿はちみつせっけんのほかに地元の身近な素材を使ったせっけんを作っている。どのせっけんも山の冷泉を使用し、肌にとても優しくマイルドな泡立ちが特徴だ。
 利用者からは、「市販の石鹸とは使用感が全く違う」と驚きの声があがっている。

<連絡先>メールアドレス=Shop@kumachan.shop-pro.jp
     ネットショップ=http//kumachan.shop-pro.jp/

(楮佐古正志)
    




■戻る
    

NOSAI高知高知県農業共済組合

〒780-0861
高知市升形10-5
TEL 088-822-4346
FAX 088-822-4349