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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2013年 1月


1月4週号
【南国市】牛と一緒にスクスク 牛追い、乳搾り、哺乳
     毎朝早起きお手伝い/斉藤雄也くん、大也くん兄弟


 毎朝早起きして、牛追いの手伝いをしているのは、南国市・北陵中学校2年生の斉藤雄也くん(14)と白木谷小学校4年生の大也くん(10)。山に放牧している牛を追い集めて乳搾りなどを手伝う斉藤牧場の仲良し兄弟(6人兄弟の長男と次男)は南国市白木谷地区で評判となっている。


    
牛の様子を見に来た雄也くん奄ニ大也くん

 斉藤牧場は土佐湾が見える山の尾根伝いにある。45年ほど前、祖父の陽一さん(78)が急峻な山の木々を伐採し、日本芝を植え、労力と経費節減を目指し「山地酪農=やまちらくのう」を始めた。現在は息子の佳洋さん(51)・母の喜美子さん(43)が引継ぎ、搾乳牛25頭・子牛15頭・種雄牛3頭を放牧面積25fで飼育する。
 毎日、朝・夕2回(6時・18時)搾乳する。早朝5時30分「来い・来お〜い」と叫ぶ父親の佳洋さんの大声で雄也くんと大也くんが目覚める。冬の季節は、あたりが真っ暗。寒風吹きすさぶ山の傾斜面をいとも簡単にスイスイと駆け上がり、牛を搾乳舎に誘導し追い込んでいく。

 「雄也が牛追いの手伝いを始めたのは、小学校1年生だったと思います。気がつくと佳洋のまねをしていましたよ」と祖母の淑美さん(74)。
 牛追いの後は、衛生に気を付ける雄也くんは、「牛の乳を濡れタオルできれいにしています」という。また、観察熱心な大也くんは、「乳搾りの時に牛がぴったりくっついたら蹴ってくるき気を付けて」と注意する。兄弟は、搾ったばかりの乳を生まれて間のない子牛に手際よく飲ませる。

兄の雄也くんが牛の追い込みを弟の大也くんに指示する
 2人の仕事ぶりを見守る佳洋さんは「仕事を手伝うことで親のしていることがわかるし、搾乳の時は家族が集まり会話も弾みます」と笑顔で話す。手伝いを済ませると朝食を取る。毎日搾りたての生乳を飲んで、4`の山道を下り学校に向う。

 自然に近い状態で飼育される斉藤牧場の牛たち。食べたいときに芝を食み、芝生の上で自由にしている牛はストレスも少なく長生きできるという。
 佳洋さんは、「息子たちは大人に負けない仕事をしてくれだしたので助かっています」と2人に大きな期待を寄せている。



   

1月1週号
【高知市】守り続ける伝統野菜
     弘岡カブの「酢カブ」/中谷実さん、都さん



白い息を吐きながら、弘岡カブを収穫する中谷さん夫妻
 日本で古くから栽培されている春の七草「なずな=カブ」。高知市春野町弘岡では、明治時代から「弘岡カブ」が栽培され定着した。同地区の中谷実さん(67)・都さん(64)夫妻は、親の代から伝承されてきた弘岡カブの栽培に力を入れている。
 弘岡カブは、水はけが良く、肥沃な土地を好む。寒暖の差が激しい時期が旬で、同地区では昔、ほとんどの農家が正月用の食材に栽培していた。しかし、根こぶ病や連作障害などが発生。今では、販売農家は4、5戸だ。
 寒風に合うほど甘味が増し、肉質はきめが細かく、柔らかいのが特徴。露地栽培のため、他のカブやカラシナが近くで栽培されていると交雑が起こる。
 純粋の弘岡カブの種を取るため中谷さんは、「葉の形で弘岡カブは分かる。山際の別の圃場へ再度植え付けて種を取っている」と話す。
 自家製の酢カブは「あっさりして後を引く味わい。昔はどの家でも酢カブを作り、正月のおせちにかかせないものです。インターネット販売を取り入れるなどして宣伝をしていきたい」と話している。




    



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