東洋町生見でIターン就農した北岡智哉さん(43)。有機栽培にこだわり、ハウストマト20eを栽培する傍ら、有機栽培を学びたい外国人らの研修生を積極的に受け入れ、交流を行っている。 |
「経営も軌道に乗り、面積拡大したい」と話す北岡さん |
横浜市出身の北岡さんは8年前まで、東京都内で大手広告代理店の営業マンとして働いていた。地方への移住促進広告を目にしたのを機に、「農業ってカッコいい」と思っていたこともあり、高知県で農業をしたいと移住を決めた。
2006年には、四万十町の「窪川アグリ体験塾」で1年間トマト栽培を研修。その後、「空いたビニールハウスがある」と紹介を受け、さっそく現在の場所に20eのハウスを借り、トマト栽培を始めた。
一人でトマト栽培を始めた北岡さんは人手が必要となるため、世界的な会員制ネットワーク「WWOOF(ウーフ)」に登録。ウーフは「食事・宿泊場所」と「労働力」を交換する仕組みで、有機農場や自然環境を大事にする人と人とを繋いでいる。受け入れ先も手伝う側も登録制で国内に約3000人の会員がおり、登録情報を基に、有機農場で実際に農業を学べ、日本文化にも触れることができるのが魅力だ。
北岡さんはこれまでに200人の外国人を受け入れており、取材時はアメリカ人のマイカさん(18)とミカイラさん(17)の2人が滞在。「大学までの英語の知識しかないが、会話にはあまり苦労はない。彼女たちはとても素直でよく仕事をしてくれますし、友達も増えてうれしい」と北岡さん。
マイカさん(左)とミカイラさん(右)。1日6時間農作業をして、1週間滞在した |
おいしく安全・安心な有機栽培に思い入れを持つ北岡さんは11年に有機JAS認証を取得。「農薬を使えないのは大変ですが、安全なトマトを食べたい人が全国には大勢いて、会員制の宅配サービスで都市圏を中心に販売している。個人販売は消費者の声が直接届くので、気を抜けない」という。
北岡さんは新たな販路確保に夏場の農閑期に営業に出掛けており、「元営業マンだからいろいろな手法を知っていますよ」と話す。「農業は本当に楽しいし、まだいろいろな栽培方法があるのではないかと考えていると飽きることがない。食物は生き物だから、作物の状態には常に注意を払っている。就農して7年目。利益も上がってきているのでさらに栽培面積を増やしたい」と意欲をみせている。
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