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農業共済団体が発行している機関誌のご案内です。

2014年 6月


 

6月3週号
【田野町】若い力呼び地域振興へ
          独り立ちへ技術習得/高橋 泰斗さん

 安芸郡田野町では、専業農家の9割以上が施設園芸を営んでいるが、高齢化などで農家も減少傾向にある。将来の地域農業に不安を抱える声も多く、同町は後継者対策や新規就農者受け入れなど就農支援制度を設け農業振興に取り組んでいる。

 「田野町で農業がしたい」と話すのは、橋泰斗さん(23)。田野町では、2012年度から「新規就農研修支援事業」により研修生を受け入れ。昨年度は、20代4人が研修を始めており、橋さんもその内の1人だ。
「農業は難しいけど、楽しく研修させてもらっている」と高橋さん

  富山県出身の橋さんは、高知大学農学部を卒業後、高知県での就農を目指して同町の支援事業に申し込み、現在は坂本輝男さん(55)のハウスで研修に励んでいる。
  坂本さんは、ナス36eを栽培しており、栽培の基礎を教えるため、橋さんにハウス3eの管理を任せている。今後は、育苗から収穫までを通して、細かく技術を指導するという。
  真剣に農作業に取り組む橋さんに、「研修生を受け入れて技術を教えているが、橋君に教えてもらうこともある。若い人の知恵や先端技術を取り入れることができ、新しい発見もあります」と地域農業の活性化を願う坂本さんも笑顔をみせる。
  「植物を育てることが好きで、農業に興味をもちました。ハウスの修繕、農機の取り扱い、肥料の施肥量など、まだまだ分からないことも多く、難しいですが、楽しく研修させてもらっています」と橋さん。

坂本さんから剪定作業の指導を受ける高橋さん
  また、高橋さんは、坂本さんもオペレーターを務めている同町大野地区の集落営農にも参加。畦塗りなどの農作業を手伝っており、「のみ込みが早く、上手なので助かる」と地域の人々にとっても、頼もしい力となっている。
  支援事業では、研修終了後1年以内に独立自営または雇用就農しなければならない。研修生には、就農のための園芸施設(ハウス)の確保などの不安もあるが、行政など農業関係機関や農業者が協力し、就農者の活躍と若い力による農業振興に期待を寄せている。

(松本・吉良)






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